費用は1.7m x 1.6m 掃出し窓で73,000円(送料込み)、道具は電動ドライバーと木工加工用具、工期は、サッシのみ1時間、ふかし枠&塗装など含めると1~2週間かかります。
リフォーム用2重サッシの選定
メーカー品も通販でサイズオーダーできるらしく、取り付けも簡単そうでした。主なメーカー・方法は以下↓
- LIXIL インプラス
- YKK AP プラマードU
- セイキ 楽窓II
- 簡易2重窓(自作、ホムセンなどにキットもあり)
LIXLIL、YKKは有名メーカーで、通販での取り扱いも多いです。楽窓は必要取り付け枠の厚みが4cmと小さく(上は7cm)、枠の加工無しで付けられることがメリットです。簡易2重窓はホームセンターで売っているプラ枠とポリカプラダン板を使い、自作するものです。断熱性能や気密性に劣りますが、一番安くできるので、目立たない場所に使うことをおすすめします。開き戸であれば木枠で作るのもいいですね。お金に余裕があればリフォーム会社に取り付けまで頼めばいいのですが、おそらく1階全てで100万円以上はかかります。メーカー系購入・DIY取り付けと自作を、重要度に応じて部屋ごとに選ぶのが良いと思います。
今回の2階洋室は、将来子供部屋にする予定なので、耐久性や寝る時の冷気による不快感を防ぐ必要性から、メーカー品を選ぶことにしました。
「業者の掲げる値段に踊らされないように」
取り付け代金込みで数万円を掲げる業者があります。ただし、これは単板ガラスでふかし枠無しの、最低価格です。
現状のサッシが古い場合、ガラス付近は外の気温に近く、そこにもう一枚ガラスを張っても結露は防げません。現状サッシを無いものと考え、それ自体断熱性能が高い、複層・Low-Eガラスを付けることで快適な環境をつくることができます。
ふかし枠というのは、サッシを取り付ける窓枠の厚みが足りない場合に、窓枠に付けて厚みを増やす材料です。「足りない場合」と書きましたが、殆どのサッシで足りません。不要なのは和室で障子を外して2重サッシにする場合や、出窓のみです。
ガラスのグレードアップ、ふかし枠取り付けを含めると、掲示価格の倍以上になることが多いです。100万円出しても快適になるならいいだろうと思う方、ちょっと考えてみましょう。快適になると言っても、新築やフルリフォームと違い、家自体の気密性、壁や天井の断熱材の性能の限界より、「暖房なしでも暖かい」「24時間空調でも電気代がかからない」レベルには達しません。次々と直していったら、建て替えの方が得だったと後悔することになるかもしれません。
ふかし枠の作成
DIYで大変になるのは、前述の「ふかし枠」部分です。ここをクリアできれば、2重サッシ本体の代金+αで工事が終わるので、だいぶ工費が浮きます。
ただし難しい点があり、
- 強度…重いガラス戸に耐え、地震に耐える強度が必要。
- 精度…コーキングや戸車の調整でごまかせるのは数ミリ。2m近い辺を数ミリ以内の誤差で組み立て、水平・垂直をとらなければいけない。
これが頭を悩ませます。考えた結果、
- ツーバイ材など太い材料で組む(高価ですが、窓枠材という狂いの少ない材料もあります)
- 調整束で床と固定し、最後に調整できるようにする。金物で壁と固定。束を隠すためにも出窓風に仕上げる。
ふかし枠の材料購入
ツーバイの桧材が安価で良いと思って購入したのですが、ちょっと失敗。吟味したのですが、家でちゃんと計ると曲がっており、床に置くと1cm程浮いてしまいます。これでは使えません。クランプで挟みつつ、霧吹きで水をかけたり、1週間以上かかってやっと使える誤差になりました。やはり窓枠材や構造用木材を選んだ方が良さそうです。ふかし枠の組み立て・塗装
横材の長さをピッタリ揃えて切断し、メジャーで長さを確認しながら組んでいきます。縦材が勝つようにしたので、横の長さを厳密に揃える必要があります。多少の歪みは固定時に修正することが出来ますが、寸法・直角はここで決める必要があります。塗装は結露や雨で濡れたときのカビ・腐敗防止の為、防水塗料又はニスの上塗りを。ふかし枠を既存窓枠に固定
プラ調整束が枠の幅に収まらなかったので、加工して直付けしました。倒れてこないように上部を紐で縛りながら、位置を微調整します。床も窓枠もかなりずれています。築年数と東日本大震災の揺れを考えると仕方ないことですが、実のところ新築でも水平垂直のズレは1000分の3が許容範囲なので、窓枠やドア枠の加工には微調整が欠かせません。1000分の3と言うと小さな誤差のようですが、1m行って3ミリ。定規を当てれば目視できる隙間となります。
位置が決まったら、歪みを抑えながら既存枠にビス止めします。この時点で縦横数箇所の寸法誤差が1mm以内なら成功。構造体には止まっていないので、束と、上部に付けたL字金具で支えることにしました。
床・壁の造作
出窓風にしたので、束を隠すようにボードを張ります。固定用桟木の位置を決めるため、このような治具を使いました。これでボードと枠の段差を一定にできます。ボードの下には既存と同じような形状・色の巾木を付けました。あら不思議、これだけですごく自然に見えます。よく見ると飾り彫りの本数も違うんですけどね。
隙間をコーキングします。ついでに既存枠も塗ってしまいました。
これでふかし枠が完成。
プラマードの購入
窓は高断熱ペアガラスで(寒冷地の場合)
サッシは家ごとに(ある程度規格はあるが)サイズが違うので、2重サッシはオーダーメードとなります。販売業者から、土日配達可・事前見積り可で最安値を探したところ、「内窓くらぶ」の「YKK APプラマードU」となりました。自分で取り付ける場合は、それをおススメしている業者の方が安く買える可能性が高いです。工事を主とする業者だと、下請けをかかえ、工事で利益を出したいので、モノだけは高い傾向があります。それでも業者による差額は5,000円程度だと思います。3セット以上で送料無料などの特典もあるので、置き場所と予算が許せば要チェックです。
ガラスの種類が色々で迷うと思いますが、東北地方であれば、長い冬にエアコンや床暖で暖めた部屋を冷まさないことが優先されるので、高断熱(Low-E)ペアガラスを選べばいいと思います。同じLow-Eに遮熱タイプがありますが、日射による室温上昇を抑えるものなので、寒い地方ではメリットが少ないです。窓の向きによって断熱・遮熱を分ける方法もありますが、日差しは庇やオーニングで遮る方が効果が高いです。寒冷地で遮熱タイプが良いのは、西日がきつく、日差しを遮る手段が無い窓の場合です。
Low-Eガラスは日差しを少々遮るので、温暖な地域で、庭を見たいとか窓際で日向ぼっこしたいという方は、通常ペアガラスでもいいと思います。ただし、安さに釣られて単板ガラスというのはNGです。結露して後悔する羽目になります。型ガラス・すりガラスは破損しやすく、後で貼るシートで変更可なので選ぶ必要はありません。
サイズ、色、ガラス種別を選んで見積もり依頼をします。サイズは上中下、左中右測り、それぞれの最小値を縦横サイズとして記入します。というのも、サッシが小さい分には隙間を埋めて誤魔化せるのですが、大きいと入らない・戸が動かない不具合が出るからです。今回はふかし枠を一から作ったので1mm以内の誤差になりましたが、3mm以上誤差がある場合は、隙間が出来ることを覚悟して、同色のコーキングなどを用意する方がいいかもしれません(YKK AP純正の補正材・各色コーキングも売っています)。
プラマードの取り付け
注文からおよそ2週間でサッシが届きました。余裕を見て、だいたい入金から半月を目安に、取り付けの段取りをすればいいと思います。
荷物は3個口で、上下左右枠と内・外サッシに分けられて梱包されてきました。このサッシがペアガラスなので重い!階段を運ぶ際は注意が必要です。基本的に玄関渡しとなるので、女性の方は手伝いを呼ぶことをお薦めします。成人男性がヨイショと頑張って運べる重さです。
取り付け説明書はA4で4枚。そのうち1枚はサッシ・ガラスの組み込みで、これは発送前に済んでいるので必要ありません。びっくりするほど簡単です。
左右枠の取り付け
左右の枠から取り付けします。枠もサイズオーダー通りにカットされてくるので、加工の必要はありません。ビスで止めるだけ。厳密な位置合わせもいりません。定規で「枠からだいたい5mm引っ込ませるかな~」と言った感じでOKです。ただし、波打つ可能性があるので、上下均等締めでなく、どちらかの方向から順に締めていきます。ビスが多いので電動ドライバーがあった方が良いです。枠はプラスチックなので、非力な(安くて小さくてOK)ものか、トルクが調節できるものがおススメで(枠材の固さに合わせ、最初は最低トルク設定で)、インパクトドライバーなら途中までにして、最後は手動で締めた方がいいですね。割れたら終了ですから。ちなみにビスはちょうどの本数しか入っておらず、ビス頭が枠と同色で塗装されている専用品なので、紛失に注意です。
上下枠の取り付け
上下枠もぴったりなので、凸型に曲げながら入れ込みます。上枠は「下に凸」で曲げます(逆に曲げようとして曲がらなくてちょっと枠に傷をつけてしまった…)。1m以下の小さな窓の場合、曲げても入らないので、左右どちらかと同時に入れ込むと良いそうです。後はビス止めするだけです。
サッシ本体の取り付け
重~~いサッシを外側(錠受けがある方)から入れていきます。戸車は出荷時に一番下がっているので、少し上げつつ水平垂直を調整すると良いと思います。戸掛かりの調整ですが、今のモデルでは掛りが浅いと赤いインジケータが現れるようになっています。調整が終わったら外れ止めを付けます。
2重サッシとふかし枠が完成!!
これは…大工さんを呼ぶレベルの仕事ではないですね。歪んだ窓枠の修正は大変でしたが、窓枠が歪んでなくて、運よく幅も7cm以上あれば、通販で買ってDIYで簡単に取り付け可能です。サイズがぴったりカット済みと言うのが良いですね。簡易2重窓で全て自分で切り出さなければいけない場合、これよりもっと時間がかかることもありますから。我が家のリフォームでは、居室のみメーカー物の2重サッシ、適所に簡易二重窓を選んで、自分で取り付け、総額50万円以内に抑えることが目標です。これ以上はちょっと…予算的にも費用対効果的にも余計な出費だと思いました。コスパ重視ならプチプチを貼り付ければいいんですけどね、そこは見た目、耐久性も考えて。
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