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2015年6月13日土曜日

リビングの壁紙を張り替える

【時間】 2日間(1部屋)
【費用】 5000円~
【難易度】 ★★☆☆☆
【道具】 パテ、ジョイントコーク、カッター、地べら、竹べら、ローラー、刷毛、脚立
【要点】 難しそうだが、慣れてしまえば楽しくなる

壁紙の寿命ってどれくらいでしょうか?10年だとまだ汚れが目立つようになるくらいだと思います。20年経つと油分が抜けたように固くなってきて、破れや浮きが発生するようになります。30年はもたないと思いますので、その前に更新が必要となります。

壁材の選定

壁材には砂壁、塗り壁、紙クロス、ビニルクロス等があります。

砂壁や塗り壁について、自然素材で健康的と評されることもありますが、本当にそうなのでしょうか?

湿気や汚れを吸着すると言いますが、吸着した後はどうなるのでしょうか?どのくらいの吸湿性能があり、部屋の体積に対する必要量はどれくらいかという定量的な説明も見たことがありません。

このあたりは他の建材や工法と同様に、メーカー目線の話はあまり役立ちません。個人的な考えとしては、空気を綺麗にする為ならば、取り外しできるパネルの形にして、天日干しや拭き掃除が気軽にできなければいけないと思います。そこまでやるなら壁材よりも空気清浄機の方がいいですが。

結局のところ、あまりそういうことに囚われず、コストとデザインで選んでいいと思います。

ビニルクロスの利点

私は一般的な、ビニルクロスにしました。

【利点】安価、丈夫で扱いやすい、メンテしやすい(水、洗剤可)
【欠点】塩ビ素材自体の危険性?デザインは限界あり(塗り壁「風」はあるけれど…)

ビニルクロスの特徴として、透湿抵抗が高い(湿気を通さない)ことが挙げられます。これを「ビニル袋に入れられて暮らしてるようなものだ!」と批判する意見もありますが、これでいいのです。実際今の家は、壁内に断熱材を入れた後、防湿シートで蓋をして、その上にボードを貼ります。天井裏にもシートが敷かれてますから、居住空間はシートで囲われている訳です。何故かというと、グラスウールなどの繊維タイプの断熱材は湿気を吸うため、居住空間から出た湿気(人間から、ストーブから、ガスコンロから)が壁内の断熱材に吸収されて結露を起こし(壁内結露)、カビが生える、酷い場合はキノコも(!!)生えるということが1980年代に分かったからです。内部の湿気の除去は計画換気で行われるべきで、壁から外へ逃がすべきではなかったのです。この頃から、断熱材に防湿シートを組み合わせた「耳付き」や、湿気を吸わないフォーム系断熱材が使われるようになりました。ただし、防湿の正しい施工が全ての住宅に為されるようになったのはつい最近のことです。それ以前の多くの不完全な防湿の住宅で、壁内結露を防いでいたのは、ビニルクロスだったのだ!!…そこまでのヒーローでは無かったにしろ、ある程度の効果はあったと考えられます。今でも、本来であれば壁紙を貼る前に行うべきC値測定(家の密閉度の測定)を、成績を上げるために貼った後で行うケチな業者もあるそうです。

そこでリフォームを考えたとき、壁内に防湿シートを追加するのは大掛かりになりますから、ビニルクロスを貼ることで(ケチなビルダーのように)防湿性能を上げることができるのではないかとケチな私は考えます。逆に、現状クロスの所を塗り壁など湿気を通す壁材にしてしまうことは抵抗があります。

勿論、リフォーム時には換気計画も同時に行われるべきです。リビングを二重窓にして、ビニルクロスに変えて、換気のことは考えていないというリフォームはよくありますが、もしそれが業者の提案であれば信用に値しないと断るべきです。

壁紙リフォームの方法

壁紙のリフォームパターンとして、規模の小さい順に4つほどあります。


【塗装】下地の状態が良く、色がくすんでいるだけの場合、塗装だけで綺麗になります。

【壁紙の上に新しい壁紙を貼る】ある程度新しい壁紙の場合、剥がさず上に貼ることもできます。

【壁紙を剥がし新しい壁紙を貼る】通常は古い壁紙を剥がし、パテで補修してから壁紙を貼ります。

【ボードからやり直す】気流止め・断熱材の追加まで出来てしまう、中古物件補完計画発動です!


私の場合、天井は壁紙を剥がすのが大変なので塗装のみ、壁面は剥がして新しい壁紙を貼ることにしました。


色柄の選定・購入

色柄についてはセンスの問題もあるので一概にこれとは言えませんが、無難・地味なものは必ずしも何処にでも合うものではないということは気に留めておいていいかと思います。最新のモデルハウスや注文住宅を見ると、広く見せたいところは淡い色、落ち着いた雰囲気を出したければダークな木目など、用途に応じて同じ部屋内でも色柄を変えていることがあり、それが自然にまとまっています。逆に無難だからと白一色にしてしまうと、昔の家っぽくなり、「苦労して貼り換えたのに余り変わらなかった…」と後悔することもあります

  • 小さい面積に大きな柄は五月蠅くなる
  • 一番の膨張色は白=部屋が広く見える
  • 床→壁→天井の順に明るい色にすると開放感、逆にすると落ち着き

といったセオリーさえ守れば、自由に選んで良いと思います。派手そうな柄でも、貼ってしまうと意外と目立たないものです。

種類は、「生のり付き」一択です。「シールタイプ」「水で塗らすだけ」がよくホームセンターに置いてありますが、余程器用な人か、小面積かでなければ難しいと思います。生のり付きは、小学校の時に使ったでんぷんのりをべったりと塗ってある様なもので、乾くまで何度でも貼り直しができます。のり無し壁紙を購入して自分でのりを付ける方法もあり、安価にできますが、のりを塗る道具と場所がある人向けです。

ただし生のり付きには欠点があり、購入してから2週間程で使い切らなければなりません。注文をしてからのりを塗って密封して送ってくれるのですが、それでも時間が経つと乾いてしまうので、段取りを決めて必要な分だけ購入するようにします。

古い壁紙剥がしとパテ塗り

壁紙を剥がすのは、端を見つけてそこから引っ張れば簡単と書いてあるものもありますが、築25年の壁紙剥がしは大変でした。壁紙が弾力性を失っているので、パリパリと破れて一気に剥がせないのです。築年数の浅い住宅で壁紙剥がしを試したことはないのですが…状況により時間がかかる場合もあるということは計算に入れておきましょう。剥がれない部分はヘラでこそぎ取って、パテで補修するようにします。




壁紙を剥がしたら、段差や穴をパテで埋めていきます。どのくらい綺麗に均せばいいかは、使う壁紙の厚さにもよります。薄いものだとちょっとした段差も見えてしまいますが、ランダムな凸凹柄であれば目立ちません。とは言え、離れて見ればどちらも気にならないと思います。


使わないスプーンと、段ボールを使うと後片付けが楽です
パテは肌が弱い人はかぶれる可能性があるので、
ビニール手袋をした方がいいかも




このとき、コンセントの追加・穴埋めもやってしまいます。壁紙を貼る前であれば、石膏ボードの穴開け・穴埋めは簡単で、跡もほとんど分からなくすることができるからです。


不要なガスコンセントは、床下の分岐から外すことが
できなかったので、コンセントを分解してメクラ栓をつけました
この後同じ厚さのボードで塞ぎ、壁紙を貼れば
全く見えなくなります


パテが乾いたら、余計な部分を紙やすりで削ります。私はランダムオービットサンダーでやりましたが、作業効率が良い反面、部屋中が粉まみれになってしましました。

この時点でコンセント・スイッチは付けず、スイッチボックスの中に電線を詰め込んでおきます。電器類も外せるならばなるべく外しておきます。



新しい壁紙貼り



まず、壁紙を広げるためのスペースを確保しましょう。1m x 3m程の大きさがあるとやりやすいです。のりが付くので、床にブルーシートや段ボールを敷くことをお勧めします。

床の巾木から天井の巾木までの長さを測り、10cm程長めに壁紙をカットします。保護フィルムを1/3程剥がし、垂直に気を付けながら仮位置決めをして貼り付けます。斜めではないか、上下左右で寸足らずになっている場所は無いか確認できたら、保護フィルムを全て剥がし、中心から刷毛で空気を抜きながら貼り付けます。




竹べらを上下端に当てて癖を付けたら、地べらとカッターを同時に這わせてカットします。地べらは、丸みが付いている方が進行方向です。また、必ず地べらの外側(巾木の方)にカッターが位置するようにします。天井面なら地べらの上にカッター、床面なら下になります。逆にすると、僅かな隙間が空いてしまいます。

貼り終えたら、壁紙や周囲に付着したのりを拭き取ります。乾く前なら、水を含ませた雑巾やスポンジで簡単に落とすことができます。残っていると黄色く変色したり、ホコリがこびり付いたりするので、よく見ながら丁寧に落としていきます。

次は、その隣に5~10cm重ねるように次の壁紙を貼ります。重なった部分をカッターで2枚同時に切り、それぞれの端を除去することで、繋ぎ目が目立たないようにすることができます。この時、重ね代の真ん中を切る、カッターの刃を常に新しくする(壁紙1枚貼るのに3~5回刃を折ります)ことに注意します。あまり強いと石膏ボードに傷がついてしまうので、2枚の厚みに丁度刃が入る力で切っていきます。上になった壁紙の切れ端を除去し、少しめくりながら下の切れ端も取り除きます。ここで切れ目がピッタリと合ったら成功です。少し隙間が空いた場合は、手のひらで壁紙を押してやると伸びます。大きく開いてしまった場合は、やり直すか、目立たない場所ならコーキングで誤魔化します。

カッターの刃を安全に素早く折ることができる文具


後は、これを繰り返していきます。窓枠やドア枠の凸凹部分は、切込みを入れたり、竹べらでしっかり癖をつけてからカットすると上手くいきます。壁と壁が直角になっている内側部分(入り隅)は、そこでカットして次の壁紙を貼るか、幅が余っていれば隅を密着するように貼り付けます。外側部分(出隅)で切れ目を作ってはいけません。そこから必ず剥がれます。

貼る順番は、部屋を右回りだとやりやすい等はありますが、初めての場合、目立たない場所・部屋から行う方が吉です。理由は、慣れると段々上手になってくるから。私の場合はリビング→キッチンの順で貼ったのですが、キッチンの方が綺麗に貼れているという…(涙)

無地やランダム柄の壁紙の場合は、柄合わせを気にする必要はありませんが、そうでない場合はリピート(繰り返し寸法)を計算しながら行います。また、木目調で木目を水平にしたい場合、横向きに貼っていくことになります。これも工程は同じですが、壁紙を長くカットすると繋ぎ目は少ないですが持つのが大変になるので、2m程度に留めた方が良いです。

横貼りは長く切ってしまうと辛い・・・

柄合わせはしなかったけど・・・良いでしょう!

壁紙貼りを覚えておくと、壁紙補修や、クッションフロア貼り(工程が似ている)に役立つので便利です。水周りのメンテも含め、これらは生活の為の必須能力として、家庭科の授業で教えるべき!

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