/*Google AdSense自動広告*/

2019年10月26日土曜日

給水・給湯配管をDIYで更新する~ヘッダー方式、アルミ三層管ドライフレックスを使用~DIYなら10万円強で全交換可能

築30年の中古一軒家リフォームも終盤です。内装がほぼ終わり、残った仕事が、給水管の交換です。住み出してすぐに、配管内部がサビサビなことに気付いたのです。

できれば早くやりたかったし、内装の前なら壁に穴を開けて配管できたのですが…あの頃は…初心で…自身が無かったから(笑)

全くの独学ですので、水道工事業者の施工とは違う点があるかもしれませんが、DIYで行う上でのポイントは、


  • 素人でも使いやすい材料を使う
  • 既設配管を残して、同時使用&やり直しができるようにする


これで、たとえ失敗しても床下にゴミが残るだけで済みます。

費用と工期は、ヘッダー・継手・水栓等 約5万円、耐候保温材付アルミ三層管13A 60m&16A 25m 約5万円、総工費10万円強、構想2年の施工のべ30日程でした。業者に頼むと50万円いくかな~?で、施工は一週間もかからないと思います。お金を取るか、早さと信頼性を取るかと問われれば、私はDIYの面白さを取る!


ヘッダー工法とは~床下ころがし配管にして施工を楽に


恐らく築20年以上前の家だと、鋼管の先分岐工法で配管していると思われます。さらに鋼管が地中に埋まっている場合は、取り換え不可能な為、新たに配管するしかありません。

ここで、最近の家で使われている、樹脂管とヘッダー工法を使うと施工が楽になります。簡単に言えば、タコ足に繋いだホースを床下に這わせて、各部屋に水と湯を届けるものです。

ホームセンターで灰色や茶色の塩ビ管が売られていますが、あれをピッタリの長さで切って、床下で繋いで配管することはほぼ不可能です。外水道などメンテナンスがし易い場所に使う部材です。

DIYでの配管更新リフォームの工法は、価格・施工性・入手性から、樹脂管を使ったヘッダー工法が唯一になるのでないかしら?もちろん、プロの方なら色々選択肢があると思いますが。

水道工事計画

配管計画図の作成

まず、水と湯がどの部屋で使われているか(追加・削除があれば含めて)一覧にまとめます。

 ①湯水 … 台所、洗面所、風呂シャワー = 3ペア
 ②水  … トイレ1、トイレ2と洗濯機、外用(2箇所) = 3
  =ヘッダーは水 x 6、湯 x 3
   ※洗濯機用止水栓は2Fトイレへ向かう小屋裏配管から分岐し、壁出し(床下から伸ばすのが難しいため)
   ※外水栓は2カ所作るが、庭で分岐する。ヘッダーのお尻のR3/4から16Aを出すので、
    分岐数は5で足りる(通常お尻はプラグで止水か、追加ヘッダーへの接続に使う)。

 ③風呂湯沸し = 専用ペア配管(ハイブリッドホース) x 1

おおまかな配管は、MB(メーターボックス、庭にある青い蓋の量水計)からヘッダーと給湯器に給水し、給湯器から湯用ヘッダーで湯を分配する形になります。今回は、旧配管への分岐も加え、完成まで同時使用できるようにしました。

【給水】MB→新配管(給湯器と給水ヘッダー)と旧配管
【給湯】給湯器→基礎換気口→給湯ヘッダー

配管材料の選定

まず、材料を選定します。樹脂管は主に3種類あります。

  • 架橋ポリエチレン管(オンダ カポリパイプ等)
  • ボリブデン管(クボタ クボタケミックス等)
  • アルミ三層管(オンダ ドライフレックス等)

よく使われるのが架橋ポリエチレン管ですが、ホームセンターで売られている実物を触ってみると、意外と固い。ホースというよりはプラスチックのようで、曲げに反発するため最小曲げ半径が大きく、立ち上げ部に保持具が必要となるそうです。ボリブデン管は比較的柔らかいのですが、耐久性が劣るようです(数年で破れる、ということではありません)。

架橋ポリエチレン管 被覆カポリパイプW 10mm被覆付 PEX20C-PB10-25 長さ(m):25


これを床下で施工するのは骨が折れるなと思い、他を調べたところ、「アルミ三層管」という部材は、曲げを保持し、保持具も最低限でよさそうなので、こちらを使用することに。これは架橋ポリでアルミを挟んだ三層構造の管で、一層よりも丈夫で用途が広いものとなっています。特に床断熱の配管では、架橋ポリだと酸素を通すことで機器が腐食するため、アルミ三層管に取って代わられているそうです。



タブチ TBCアルミ三層管ピンク13 25M


タブチ TBCアルミ三層管ブルー13 25M


その他にヘッダー、止水栓との接続金具が必要となります。先分岐工法のように、分岐させるためのチーズ等は基本的に使用しませんが、外に2カ所持っていく場合など、ヘッダー工法では材料が無駄になる・配管が大変な場合は、チーズで分岐させてもいいと思います。

配管の太さは下記ルールで大丈夫でしょう。太めの方は水量に余裕があり、凍結のしにくさも優ります。

  • MB~給水ヘッダー、給湯器~給湯ヘッダー   20A or 16A
  • その他、各部屋への配管           13A or 10A

20A(16A)の場合、継手はR3/4ネジで、給湯器の給水・給湯ネジと同じです(給湯器の容量によってR1/2もあるので要確認)。ヘッダーの頭はR3/4ネジ、分岐はR1/2ネジとなっており、分岐側に合う管は10Aか13A。我が家は先分岐箇所があるので、余裕のある13Aとしました。また、10~16Aは共用の配管リーマーが売られています。一度しか使わない器具にお金をかけたくなかったので、20Aでなく16Aを使用することにしました(価格差も結構あります)。


タブチ 3WAY面取り器(10・13・16用) UPBT-3WAY


保温サヤは通常、水は青、湯は赤を使用しますが、端材が多く出そうだったので、どちらも耐候性グレー色を使います(色付きの場合、耐候性は明記されていませんので、床下専用)。自分で分かればいいのです。

また、給水限定ですが、安価で良く使われる材料として、ポリエチレン二層管があります。ホームセンターでも手に入るので、埋設部分に使用するのもいいと思います(ただし曲げ半径は大きい)。

工程~新旧配管を同時に使用することで、断水の問題をクリア


事前にMBから新旧配管分岐
 ↓
新配管施工と給湯器交換
 ↓
旧配管閉、新配管開
 ↓
旧配管の撤去(いつでも、可能な限り)

とすることで、水道が使えない期間をほぼ無くすことができます。


旧配管との接続工事

先ず、メーター~旧配管を更新し、新配管への分岐を止水しておきます。この時点で水道はいつも通り使えることになります。

旧配管はポリプロピレン(PP)管20Aでした。これは現在主流のポリエチレン(PE)2層管の前に使われていた材料で、黒い見た目は同じですが性能が低く、工事が入れば更新対象となるそうです。

旧配管は、PP→塩ビ→不凍水抜栓→G1シモク→塩ビ→分岐、となっており、水抜栓を撤去してG1オスを差し込めばいいのですが、G1ネジの変換・継手は手に入りにくいので、塩ビをカットして継手を接着しました。

旧配管→塩ビ20A→エルボR3/4→フレキニップルRc3/4-G1/2→フレキ13A→フレキニップルL字、これと新設管を繋ぎます。フレキ13Aを使った理由は、狭いところで曲げやすいのと、一時期だけで交換するため安価な部材を選んだ結果です。

メーターから新配管へ、メーターユニオンでG1-R3/4に変換後、メネジアダプターを介してドライフレックス16Aを埋設しました。埋設は、既存管と同じくらいを目指しましたが、意外と大変で挫折(笑)。保温材もあるので浅くてもたぶん大丈夫!

鋼管ネジ設置用,メーターユニオン,ナット付(呼び20ミリ上水ネジ水道メーターG1ネジ×R3/4ネジ,上水ネジメーター用)


ドライフレックスは軽量で、曲げを保持するため、とても扱いやすいです。固くて暴れる架橋ポリエチレン管と比べると、工作用の太いアルミ線のようにグニグニと手で曲げられるのは非常に楽!!カットは13Aなら保温材ごと可能ですが、面取りの為、保温材を少し縦にカットして広げるとやりやすいですよ。カットして、面取りして、差し込むだけ。差し込みは軽い力でできるし、透明窓から確認できます。エコキュートの配管以外であまり普及しないのは何故でしょう?価格?

施工上の注意点は、ベンダー無しでグッと曲げると折れやすいことと、ベンダーを入れて2箇所曲げるとベンダーが抜けなくなること。1箇所ずつ行います。手曲げなら、保温材ごと膝のRに合わせて少しづつ行うと座屈しません。


最小曲げ半径は、ベンダー有で外径の4倍、無しで5倍。両手でクイッと曲げると、写真のように座屈します

メーカーのオンダさんに要望。インナーベンダーのツバはもっと丈夫にして下さいね。強く引いたら壊れてしまい、ペンチで引っ張るハメになりましたよ。また、継手の保護シールが裂けやすいので、片手でサッと剥けるよう、丈夫にしてもらうと嬉しいよ。

引き込み場所までドライフレックスで引っ張ったら、メネジチーズをダブルで使用し、旧配管・新配管・給湯器へ分岐します。入り口も分岐も全てR3/4のヘッダーがあれば一つで足りたのですが、R1 - R3/4かR3/4 - R1/2しか無いようです。R1ネジは継手も止水栓も手に入れにくいのです。




床下へ水道管を引き込む


水の引き込みは、基礎に開けられた既存水栓用の穴を利用しました。何故か我が家は、GLよりちょっと下の基礎をコア抜きして、給水・給湯・ペアホースの配管が為されているのです。今なら欠陥工事と言われるでしょう。鉄筋も切ってますから。



欠陥とはいえちょうど使い易い穴なので利用します。床下からスコップで穴を掘り、旧配管の保温材を撤去すると、ちょうど新配管が通る隙間ができました。

外用の水道はメーターと家を挟んで逆の位置にあるため、ヘッダーから床下~ウッドデッキ下を通して逆側の庭まで伸ばします。配置によってはメータ近くから分岐する方が良い場合もあります。




ヘッダーの設置


ヘッダーの設置場所には床下点検口を配して、メンテナンスできることが推薦されていますが、床下を這って歩ける昔の家ならば、どこに設置してもOKです。そもそも、床下に入れなければ配管リフォーム自体できません。また、ある程度給湯器に近くて、全体の配管計画の中心にある方が効率が良いです。

ヘッダーは暴れないように、ベタ基礎に金具で固定するのが一般的なやり方のようですが、リフォームの場合は適当な固定方法が無いことが殆どなので、保温材を巻いた後にU字金具で地面に固定します。

我が家は水道を引き込んですぐ、トイレの下に給水ヘッダーを設置しました。給湯ヘッダーは、給湯器の真下にある基礎換気口から引き込んだ後、風呂床下に設置。


パイプスペースの作成(ユニットバスの壁をふかす)


配管更新で一番厄介なのが、水道管の隠蔽配管です。太さ故の難易度は電線の比ではありません。特に壁出し水栓と、1階ー2階通し!

そこで、ユニットバスの壁を一部ふかせて(風呂を狭くして)、パイプスペースを作りました。ついでに給湯器取り付け用の壁補強と、リモコンコード通り道の制作も。

パイプスペースの厚さは45mmとして、角材を既存壁にビス留めし、コンパネを貼ります。


壁はプラ+金属板+薄いタイルで、ビスが入らないため、下穴を開けてボンドや両面テープを併用しました。

せっかく壁厚を増したので、ロックウールを入れました。ロックウールはグラスウールとほぼ同じ性質と値段ですが、少し性能が高く、固めで扱いやすいため、よく利用しています。


下地はコンパネを使用。ベニヤ下地に風呂リフォーム用壁材を貼ってもいいのですが、安い工法を選びました。

ビス頭と隙間をパテで均した後、水回り用ダイノックシートで仕上げます。水回り用は防カビ剤が入っています。ダイノックシートって意外と高いのですね。これ1面で約17,000円かかっています。



床出し止水栓の取り付け


トイレ・シンク・洗面台は、床から止水栓を出します。立ち上がり部はインナーベンダーを入れて90度に曲げておけ、と施工説明書にありますが、狭い床下ではやり辛いので、ゆるく曲げて、先を面取り加工し、キャップなどで保護しておきます。

床下から穴に管を通し、床上で少しひっぱって床出し接手と接続、床面まで戻したらビス止めします。キッチンや洗面台の場合は、床面でなく棚の底面に止めます。キッチンは底板が脆く割れてしまったので、別の板を貼りました。

床上固定後、床下で手曲げで立ち上がりを作る方が楽です。保持具は必要ありません。継手の固定と、地面との間で、つっかえるようにすれば固定されます。






洗濯機用壁出し止水栓の取り付け


洗濯機用の止水栓は、防水パン一体型(床出し)、壁出し、壁出しフラット型があります。防水パン一体型はスッキリしますが、排水口の位置が限定されるため、リフォーム向きではありません。また、洗面台の側面に丸穴を開けて取り付ける、リフォーム用水栓もあります。

今回は、壁内配管で壁出し水栓としました。隣がユニットバスで、天井裏から配管できたためです。床下からは辛いと思います。2階トイレ用にパイプスペースを通した配管を、チーズで分岐し、壁内に落とします。

PF管をガイドにしましたが、無くても大丈夫でした。ただし、この方法は壁に大きな穴を開けるため、補修仕上げが必要になります。どのみち既存水栓の穴は隠さなければならないので、ついでに両方仕上げることにしました。


壁出し水栓はまとめ買いから漏れてしまったため、ホームセンターにも置いてあるオスアダプターと、壁出しエルボを組み合わせました。合計してもコチラのほうが安いかも。


浴室用サーモ水栓の取り付け


浴室のシャワー・カランは、壁付けと、浴槽脇への台付けがあります。掃除のし易さは壁付けですが、L字アダプタを壁内に設置する必要があり、場合によっては壁を一部解体することになります。ということで私はユニットバスの壁をふかして、パイプスペースを作ったのです。

台付き水栓は種類が少なく、足し湯機能があればカランが浴槽に届かなくても良いので、既存のシャワーと同じ場所に壁付けすることにしました。

本来壁付けならば、床下から壁の隙間へ管を通す必要があります。さらに、継手の固定の為、ユニットバスの壁を一部解体する必要があります。今回は壁をふかしたので、床下から床面に開けた穴を通し、ふかした壁の下地(ベニヤ)に継手を固定しました。継手は、壁固定タイプと下地固定タイプ、固定方向可変タイプがあります。

このタイプは裏から壁下地にビス止めが必要なため、ベニヤの継ぎ目をすぐ近くになるようにしました。しかしそれでもやりにくい。ビスで間柱に止めるタイプの方が楽です(今更買い直せないけど…)。


継手の間隔は、中心対中心=200mm。これで殆どのサーモ水栓に対応します。正面から見て右が水、左が湯になるようにします。


風呂用湯水ペア配管と循環器具の設置


給湯器と浴槽の穴は、往復ペア配管で繋ぎます。2本の管を通すことで、給湯も追い炊きもできるようにしているのです。元々穴に入っている循環器具も交換します。

ペア配管はハイブリッドホースを使用。両ネジ加工済を購入しました。この場合、長さを測ってから注文する必要があります。ハイブリッドホースは柔らかく自由が効くので、配管に苦労することはないでしょう。これも湯と同様、基礎換気口を通しました。




風呂追焚用ホース/ハイブリッドホース/ペアホース/15A×2000mm



* [TKA-LSK] 東洋アルチタイト産業 無極性 循環アダプター LS兼用 オスネジ式 あす楽


参考資料

配管部材一覧


部材と価格をGoogleスプレッドシートにまとめました
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1bsN9LG64j-fddDZ8W7SISDyqIvkL5Gx4JKbDnkJV8Aw/edit?usp=sharing

時間をかけて図面を書いても、記入忘れによる部材の不足が…!配管部品の通販は、10,000円や15,000円分まとめて購入すると送料無料となる店が多いので、間違いないよう気を付けて、まとめて注文がお得。又は送料無料となる金額にうまく分けて、作業中に足りない部品を追加する形で。

ホームセンターは在庫も数も店によりけりで、お金も時間も無駄になるのでおすすめしません。

施工動画


ドライフレックスの施工について、動画にまとめました。






0 件のコメント:

コメントを投稿