今回は、Alteryx Designerの特長でもある、空間データのマッチングを利用した、「A地点はXというポリゴン(範囲内)に属する」一覧レポートを出力するワークフローの紹介です。緯度経度一覧に、住所や夜間人口を追記したい時に活用できるのでは?
ワークフローの概要
- PowerShellスクリプトを実行し、ポイント名・緯度経度のCSVデータを取得する
- 緯度経度から地図上の地点作成
- 既存のポリゴンデータとマッチング
- 必要な項目をセレクトする
- CSVファイルを出力する
Alteryx Designerとは?目的・ExcelやAccessとの違い
Alteryx Designerとは、GUIでデータ解析用プログラムの作成・実行を行うツールです。データ解析はMicrosoft ExcelやAccessでも可能ですが、VBAでのコーディングが必要となる場面も出てきます。またAlteryxで扱えるファイル形式は、Excel(xlsx、以下カッコ内は拡張子)、Access(accdb)はもちろん、MapInfoのポリゴン(tab)やGoogle Earth KML(kml)等の空間データも網羅しているので、より多くの連携処理が可能です。VLOOKUPで処理するくらいならExcelでもOKですが、緯度と経度のデータを使って距離や面積などを算出するならばAlteryxの方が高速です。ただし、年間5,000ドル強と高額なので、個人が購入するアプリではありませんね。
GUIでツールをワーク画面に放り込んで、線でつないげば完成という触れ込みですが、実際はCUIでIF文を書いたり、SQLの知識が必要になったりで、ホームページの「非エンジニアもデータ解析ができる」は眉唾です。
Run Command(Developerツール)
コマンドラインでプログラムを実行するツールです。今回はPowerShellスクリプトで緯度経度CSVを作成しますが、既にファイルがある場合は後述のInput Dataを使います。PowerShellのps1ファイルの実行は、以下の設定で。Output/Inputは不要なのですが、どちらかを埋めないとエラーが出る仕様なので、PowerShellが吐き出すCSVファイルを記入しました。
- Command : powershell
- Command Arguments : & ".\get_points.ps1"
- Output/Input : どちらかに使用するファイルを指定
Create Points(Spacialツール)
緯度経度を記載したデータは、そのままだと空間データとして使用できません。「この項目を緯度、これを経度として認識しなさい」と指定するのがCreate Pointsツールです。X Field (Longitude)に項目「経度」や「Longitude」を選択します。小数形式で記入します(緯度経度全般に言えることですが、使うデータ全て世界地図系の小数形式で揃えることをおすすめします。度分秒は使い辛い!)。Input Data(In/Outツール)
既存ファイルはInput Dataで開きます。もしダイアログで都度指定したい場合は、InterfaceツールのFile Browseを使用します。File FormatとCode Pageを正しく指定しないと、データがうまく読み込めない可能性があります。Spacial Match(Spacialツール)
Tに地点データ、Uにポリゴンデータを入力し、Mからマッチしたデータを出力します。TargetはCentroid(重心)を、UniverseはSpatialObj(空間データ)を指定し、「Where Target Within Universe」でポイントがどのポリゴンに属するかを算出できます。Targetは今回ポイント(点)のデータなので、重心=その地点となりますが。空間データの方にあらかじめ「住所」「人口密度」などの使用する項目を入力しておきます。例えば日本地図ポリゴンがあるとしたら、「県」「市区町村」「大字」等をポリゴンのデータ内に格納して利用します。
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