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2018年9月30日日曜日

和室の障子をプラマードUでペアガラス2重窓にする

和室の洋室化、又は断熱性能の向上の為、障子を取り払って、「プラマードU」「インプラス」等の2重窓を取り付ける方法の紹介です。

リフォーム業者に頼むと、大工工事が入るので、一箇所で10万円以上かかると思います。ノコギリや金槌、電動ドライバーが使える人なら、DIYで作業可能。窓の大きさにもよりますが、4万円~(窓本体+木材など)の出費で済ませることができます。ただし、窓枠が酷く歪んでいる場合は、修正が必要だったり、取り付けができない場合もあるので注意しましょう。




障子の断熱性能

障子は木枠と紙で出来ています。「紙の熱伝導率は木の1/2以下なので、障子は断熱性能が高い」と建具屋は言いますが、嘘です。

熱伝導率[W/m・K]を厚さ[m]で割ると、熱貫流率[W/㎡・K]が出来上がります。熱貫流率が低いほど断熱性能は高いので、熱伝導率は小さく、厚さは大きい程良いということになります。ちなみに断熱性能というのは冷暖房費に反比例するもので、暑さ寒さの感覚には、素材や輻射熱や隙間風など、複合的要素が絡んできます。断熱性能の高い家を建てたのに、昔のこたつ生活の方が快適だったと言われることがあるのはこのせいです。

さて、障子の紙は1[mm]も無いので、厚さ0.001[m]で割る=1000倍となって、熱貫流率が高くなり、ほとんど断熱の役に立ちません。それでも障子を閉めれば多少は暖かくなるじゃないかと言われれば、それは空気層を閉じ込めているからです。ただし、空気は対流するので、厚さと熱貫流率は比例しません。約12mm以上は頭打ちとなります。この12mmというのが、ペアガラスの空気層の厚みです。

つまり、障子の断熱効果というのは、窓枠にプチプチ(緩衝剤)を貼ったのと同じようなものだと言えます。しかし、障子紙の通気性、枠の隙間を考えると、それよりもっと下で、2重窓には全然かないません。

同様の嘘は多く、ログハウスメーカーは厚い木の外壁だから暖かいと言いますが、グラスウールの熱伝導率は木の1/3のため、普通の家の壁内にグラスウールを詰めた方が暖かくなります。化工会社はスタイロフォームの熱伝導率はグラスウールの1/2だから高性能と言いますが、外張りで5cmのスタイロと、充填10cmのグラスウールの断熱性能は同じで、費用だけ倍以上になってしまいます。

これらの嘘が、末端の住宅メーカー営業マンに伝わり、消費者を惑わしますが、根本的には全国民理系化するしか対策はありませんね。

窓枠の歪みについて

既存サッシの戸車を調節しなくても、サッシの隙間が無く、鍵もスムーズにかけられる場合は問題ないと思われます。

障子の入っている木枠部分の、上中下・左中右の内寸を測り、5mm以内の誤差に収まっていれば、そのまま2重窓が設置可能です。

内寸の測定はレーザー距離計がおすすめです。おもちゃみたいだと馬鹿にしていましたが、コンベックスメジャーと寸分違わず測定できます。長い距離を測定する際、メジャーだと折れたり曲がったりするので、こちらの方が簡単で正確です。


BOSCH(ボッシュ) レーザー距離計 GLM7000 【正規品】


5mmを超える歪みがある場合は、窓枠を追加する方法(過去の記事)、内側に調節用の薄い板を入れる方法があります。難しい場合は、2重窓を諦めて、ハニカムシェード+L字アングルで隙間を埋める手も。最小の費用で済ませるならば、既存障子に隙間テープを付けて、両面プラスチック障子紙の太鼓貼りというのもアリですね。

手順① 溝を埋める

2重窓の枠材はプラスチックで、ビスで止めするので障子の溝を埋める必要があります。溝にぴったりの材料を切り出してはめるのは技術が要るので、適当な材料を詰めて、薄い化粧ベニヤで覆ってしまうと楽です。ベニヤは同色の化粧釘とボンドで固定します。

2重窓の取り付け可能な枠の厚さは7cm、余裕を見て8.5cmほどあると理想的ですが、障子の枠は10cm以上あるため、溝を埋めるだけで取り付け可能です。



手順② 既存枠の上に、飾り枠を固定する

ベニヤを貼る場合、木口が見えてしまうので、木枠をふかして隠します。我が家の場合は、和室に石膏ボードを張って洋室化するので、その厚さを含めてふかしました。その予定が無い場合は、薄くて綺麗な桧無垢材などを使うと良いと思います。

窓枠の色を変える場合は、ここで既存枠・ベニヤ・飾り枠を同じ色で塗ってしまうと綺麗に仕上がります。



手順③ 2重窓のオーダーメイド購入方法(エコ内窓クラブの場合)

2重窓に既製品は無く、ネットにてサイズオーダーメイドで買います。先に測った上中下・左中右のうち、いちばん小さいの値を縦横サイズとして指定します。これは、隙間が空くことよりも入らないことを避けるため。同じ理由で、店によっては「計測値 - 2mm」を記入する場合もあるので、注意書きをチェックしましょう。

私が購入したのは「エコ内窓クラブ」という通販サイトです。ちょっとホームページがゴチャゴチャして怪しい分かり辛いので、注文方法を解説します。

まずは、いきなり注文でなく、簡易見積りのボタンから。複数個が同時注文できるようになっています。3個以上だと配送料が無料となるので、まとめての注文がおすすめ。サイズの記入方法は以下の通りです。幅と高さは3箇所測ると書いていますが、書くのは最小の1箇所なので注意します。

A…窓下枠幅(mm)、取り付け可能な最小幅より小さいかどうかの確認に使われます。床や天井と接する場合や、十分な幅があることが分かっている場合は「110」と記入します。
B…窓横枠幅(mm)、同上
W…窓内寸幅(mm)、幅の最小値をそのまま記入します
H…窓内寸高さ(mm)、高さの最小値をそのまま記入します

こちらのショップは幅、高さを1mm程小さく作ってくれるので、計測値をそのまま記入します。幅・高さの間違いに注意です。オーダーメイドなので、間違うと巨大なゴミとなります。

ガラスタイプは、東北であれば高断熱ペアガラス一択です。ケチって1枚ガラスにすると、間で結露したり、効果を感じなかったりして後悔します。遮熱ペアガラスは日射熱を遮るものですが、東北では真夏以外必要ありません。

必要に応じて、補正材や窓枠と同色のコーキングを購入します。同時購入で配送料が無料になるので、まとめて多めに買っておくといいでしょう。補正材は長さ1m、厚さ数ミリのプラ板ですが、ホームセンターでは割高です。

見積もりを送信すると、1~2日で正式な見積もりがPDFで届きます。このメールに返信することで注文が確定します。銀行振り込み・クレジットカード払いが可能で、支払確認後の製作となります。製作には1週間ほどかかるので、配送と合わせて注文から10日以上後のお届けとなります。

また、土曜の配送も対応してくれます。ただし、時間指定はできません。業者用の運送会社となるので、玄関渡しが基本で、2階に運んでもらうことはできません。ペアガラスは重いので、十分に注意しましょう(バッキバキの筋肉痛になった…)。

値段はサイズによって段階的に変わります。おおよそ、幅1,720mm x 高さ1,200mmの小窓で35,000円、幅1,720mm x 高さ1,750mmの掃出し窓で62,000円となります。


手順④ 2重窓の取り付け

下地処理もOK、サイズもオーダーメイドでピッタリということで、取り付けは枠をビス止めして、戸をはめるだけです。これで工事費5,000円なぞ取られたらビックリですね(でも、人を動かす事それだけで、手間もお金もかかるので…)。

電動ドライバーがあれば、女性でも作業可能。ただし、ガラス戸が重いので、最後にはめ込むときは手伝いが必要です。


左右枠の後に、上下枠をこのように曲げながらはめ込みます。パッキンを挟みこんで、気密性を発揮できるようにします。


数ミリの隙間が空く場合は、補正材を使用します。1mm、3mm、5mmのプラ板を組み合わせて隙間を埋め、コーキングで隠す形になります。枠が白なので、専用色コーキングは不要です。

戸を嵌めた後に気付いたのですが、我が家の大きな窓は歪みが多く、戸車の調整範囲を超えていました。主に2パターンの歪みがあると思いますので、それに応じたスペーサーを入れます。おおよそ、下枠だけの調節で間に合うかと思います。

傾いている場合、5mm→3mm→1mmなどとなだらかに補正。

両端が下がっている場合は、戸を外さなくてもスペーサーを入れることができます。

スペーサーを5mm程入れてしまうと、縦枠と干渉して入らなくなります。その際は、レールの真ん中部分のみをカッターで切り取ります。



枠の取り付け位置ですが、私は掃除のし易さと、既存サッシ鍵の閉めやすさを考え、ギリギリ手前にしました(強度的に問題ないことも確認)。逆に既存サッシに近づけて、ロールスクリーンやカーテンを枠内に収めるのもアリだと思います。

戸をはめた後は、外れ止めを忘れずに。

効果はと言えば、車での来客に気付かず、雨に気付かず、狭い部屋ならエアコンが直ぐに弱運転となるので、居住環境は劇的に向上します。冷暖房費で元が取れるかと言えば微妙なところですが。ペアガラスというのは実際のところ防音効果は低く、ガラスそれぞれの厚さを変えた防音専用ペアガラスというのが用意されているくらいです。しかし、元々隙間が空いた単板ガラスに付加した場合は、劇的に静かになります。温度も、内窓を開けるとほぼ外気温、というくらい。コレは、元のサッシが古いほど効果を感じられるということです。既に樹脂サッシのペアガラスだけど暖かくしたい場合は、断熱カーテンで対策した方が安上がりです。

「ふかし」ていますが、この後全面にボードを貼るためです。障子枠に2重窓を入れるだけなら、このような加工は不要。

通販&オーダーメイドで2重窓が手に入るようになって、だいぶ敷居が下がりました。また、障子の既存枠を利用することで、「ふかし枠」も不要となります。和室が寒いっ!という方は、大きな効果が期待できますので、オススメですよ。

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