セルフリフォームは技術的・金銭的制限が無ければどこまで出来得るのか?
「これ、自分で やっちゃっていいのかな?」リフォームをしていると必ずここに辿り着きます。気がかりを生むひとつが、作業の難易度が高い為に素人では不可能ではないかと 言う不安。もうひとつが、知らぬ間に法を犯していて役場からの指導や罰金刑を受けるのではないかという恐れ。誰もすっきりさせてくれません。プロも役場も 立場上ダメと言うでしょう。ここもセルフで自問自答しなければならないのです。
自分の家を自分で工事する条件で、工事の種類ごとに「私の解釈」を書きます。細かい法の解釈は専門家に任せておけばよいでしょう。今回は、現実として如何か纏めました。
【電気】
ブレーカーは電力会社の所有物なので、同アンペアだとしても勝手に更新することはできません。そこからの分岐ブレーカー~壁内配線~コンセントの工事には、第二種電気工事士免状が必要です。
ただし実際に必要になるのは、新築・フルリフォーム時に配線図を電力会社に見せて許可をもらう時だけです(それも名前だけ)。罰則もありますが、素人が工事するのを見つけて咎める人はありません。
配線に必要な資材・工具は殆どホームセンターで買うことが出来ます。最近のスイッチ・コンセントは、工事がやり易く、小学校高学年の工作レベルです。配線計画まで考えるのはちょっと勉強が必要ですが。
ここまで被膜を向いて、奥まで差し込めば大丈夫と分かるようになっている
工具も正しく使えば配線を傷つけることはありません
ということで、電気工事は素人・無資格でもできます。
と書きましたが、第二種電気工事士(筆記・実技)は国家資格なので取っておいても損はありません。オテントサマに胸を張って工事することが出来ます。また、 第二種電気工事士を取るための知識は電気工事を行う最低限の知識です。テキストや実技のための工具は後々にも役立ちます。
【ガス】
ガスコンロはゴムホース接続の場合、設置・接続はユーザーが行うことが出来ます。それ以外の白管やフレキ管の接続(給湯器・ビルトインコンロはこれ)は、ガ ス会社に頼まなければいけません。ただし、こちらは電気の場合と違い、法や資格はガス事業者内で定められたものとなります。罰則としては、事業者がガスの 供給を止めることが出来るというもの。素人工事丸出しの給湯器を検針の際に見つけられ、注意を受ける可能性はあります。
また、フレキ管や漏れ止めに使うヘルメシールはホームセンターで売っておらず、一部のネットショップでしか手に入りません。
これらを考えると、ガス会社に頼むのが安心・安全でしょう。ただし、適正価格であること(接続のみで数千円)が条件です。供給地域と法の縛りを盾に、高額な 費用を請求するガス事業者があることは確かです。ウチの場合がそうでしたので、ビルトインコンロの設置・ガス管接続は自分でやりました。工事の難易度は水 道工事と同じです。
結論 ガス工事は素人でも大丈夫、ただし障害や邪魔が入ることは有り得る
【水道】
水道もガスと似たような状況で、メーターまでは水道会社の所有、それ以降は自由だが、不具合がある場合は供給と止めることができる。蛇口を替えるのは大丈 夫、止水栓はグレーゾーンなど話は聞きますが、基本的にメーター以降は自分で工事できると解釈しています。水漏れさえ起こさなければ問題ないでしょう。
資材ですが、様々なメーカーが似たような商品を出しているので、選定に迷います。築30年を過ぎると、給水系をまるごと更新しなければいけなくなるでしょ う。メーター以降はポリ二重管、床下にヘッダーを置いてさや管+架橋ポリにしようかしら。資材はホームセンターで入手可能です。
【情報配線】
隠ぺい配線を含む、LAN、HDMI、USB、スピーカー、電話ケーブルの接続について、事業者の場合は工事担任者という資格が必要ですが、個人では何の資格もいりません。
LANコンセントなどは特別な道具もなく、簡単に作れるようになりました。
Panasonic ぐっとす。LANケーブルをばらし、同じ色の所にグッと差し込むだけでLANコンセントが出来上がります。
【外構】
基本的に自由ですが、都市計画がある場合は注意が必要です。ウチの地域は屋根の上にテレビアンテナを立てることを禁止していますが、庭にアマチュア無線のアンテナを立てた人は撤去するように役場から指導が入ったようです。
【増築】
6畳以内の増築であれば確認申請が必要ありませんので、自由にできます。
【電気】【ガス】【水道】【情報配線】【外構】【増築】のセルフリフォームの領分を纏めました。家とそれに付属する機器・設備の所有者である私達は、素人だとしても自由に作り・変える権利を配下に置くべきだと思います。小さき土地ながらも一国の主として。
建設業者は職人集団として、素人には到底辿り着けない品質の仕事を追及する故にプロなのであり、法によって保護される所以はありません。例えばガス漏れとか水漏れによって他人に損害を与えた場合は、民法と刑法で罰せられればそれで済む訳です。
現実として私達の邪魔をする法があることはありますが、個人に大して実効的なものではなく、前科者になることは決してありません。「ちょっとくらいアウトローでもいいじゃない、自由に自分の家を弄ろうぜ」精神で、セルフリフォームは無限に広がるのです。
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