小林家内業 Kobayashi home office blog: 既設コンセントの上部にコンセントを新設する【壁掛け扇風機、小容量エアコンなどに】

コンセントの追加は隠蔽（壁・天井内部）配線が必要な為、大変な作業になりがちですが、既設コンセントの近くであれば、比較的簡単に設置することができます。

既設コンセントの壁内配線（VVF線）を利用して、コンセントを新設する作業を紹介します。費用は工具を除いた配線器具が2,000円程度、作業時間は１～２時間です。

壁に穴を開けて既設VVF線を見つける

今回は既設コンセントの1.5m上に追加します。ここに追加する理由は、すぐそばに室内物干しロープと壁掛けサーキュレーターを設置する予定の為。ブラーンと下まで電源コードを垂らしたらみっともないでしょ？

また、和室→洋室リフォーム途中の為、石膏ボードを全面に貼ることになるので、壁穴はテキトーでも大丈夫です。そうでない場合は、コンセントボックスの大きさに合わせて、丁度いい穴を開けます。

穴を開ける位置は、既設の真上、真横がすっきり見えます。殆どの配線は壁内を真っ直ぐ上から下りてきてるので、真上に空けた穴からはVVF線が見える筈です。真横の場合、柱に当たると配線不可です。特にツーバイ住宅の場合は注意が必要です。

VVF線はグラスウールの陰に隠れていることがあるので、穴から手探りで探しましょう。グラスウールはチクチクしますが、アスベストのように健康被害がある訳ではないので、心配いりません。

ブレーカー断と配線切断、コンセントボックスの配置

言い忘れていましたが、ここからの作業は第二種電気工事士免許が必要です。ただし、無免許でも罰則はないのでご安心を。

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私は免許を取りましたが、メリットは「電設関係の会社員だと報奨金がもらえることがある」「電験三種を持っていると技術試験だけでＯＫ」「技術試験が実際の作業の練習となり、道具もそのまま使える」くらいですね。

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先ほど見つけたVVF線の切断・分岐をするのですが、その前にブレーカーを切っておきます。メインブレーカーを切ると困る方は、該当する漏電ブレーカーのみを切ります。ただし、古い住宅の場合は分岐が少なくて不正確なので、確実に電気が来ていないか、既設コンセントに何か差してみて確認しましょう。

VVF線を引っ張ってみて、余裕があるようなら、Ｕ字に10cmほど引き出して、頂点をペンチで切断します。この時火花が散ってブレーカーが落ちたら、前工程の失敗です。

VVF線がピンと張って余裕がない場合は、VVF線を追加します。まず、既設コンセントをバラし、新しいVVF線をビニルテープで固定した後、上から引き上げます。新しい線が10cm程出てきたら、テープを取って、古い線も同じくらいの長さで切断します。

コンセントボックスはリフォーム用を使います。角にフラップが付いていて、ネジを回すと飛び出て壁を挟むことができるので、間柱に固定できなくても使用できます。もちろん、間柱があればビスで止めた方が丈夫です。何個か切欠きがついているので、VVF線が通る個所を抜いて、そこへ線を通します。

私はコンパクトタイプのコンセントプレートを、挟み込み金具で固定することにしたので、ボックスは無しで施工しました。

コンセントプレートの接続

以上の作業で、新設の穴から２本VVF線が出た状態になります。コンセントプレートの器具の裏には、最低２本の接続穴があるので、ここに２本とも繋ぐと、新旧両方使えるようになるのです。２つの穴に違いはありませんが、上下をうまく繋がないと後でねじれて設置し辛くなります。

カッターでVVFの外装に一周切り込みを入れ、縦にも切ったら、ペンチで剥がします。中の線はコードストリッパーで剥くと簡単です。以上の作業が一つのペンチで出来る、VVF配線ペンチというのも売られています。「W」はWhite、白の線を繋ぎます。横に並んだ穴をペアとして使います。縦に白黒と繋ぐとショートしてブレーカーが落ちるので、注意しましょう。

HOZAN(ホーザン) VVFストリッパー P-958

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コンセントボックスを壁に固定し、プレートを付属のビスで固定します。カバーを付けて完成！

あくまでも、壁に穴を空けてVVF線が見つかった場合ですが、隠蔽配線で簡単にコンセントを増やすことが出来ます。ただし、エアコンは本来専用コンセントを設けるべきなので、分岐して使う場合は容量に注意してくださいね。